X(旧Twitter)で「金融所得の税率を30%へアップするのは許せない」といったポストが多数見られました。国民民主党 玉木代表の、以下ポストへの反応ですが、我々にメリットはあるのでしょうか?FP3級勉強中の視点から分析します。
失礼しました。
— 玉木雄一郎(国民民主党) (@tamakiyuichiro) February 1, 2025
昨年12月24日に我が党の税制調査会が発表した「令和7年度税制改革と財源についての考え方」の中に、「金融所得課税については分離課税を30%に上げ、総合課税と選択できるよう目指します。」との記述があることを確認しました。…
ポイント
- 金融所得課税方式を「総合課税」化
- 現行の分離課税(一律20.315%(所得税15%+住民税5%))を30%に変更
- 納税者が「総合課税」か「分離課税」を選択可能
低所得者にとっては減税
総合課税を選択すると住民税は10%になります。そのため、課税所得330万未満の層(所得税率10%以下)は現状維持か減税になります。
具体例
- 給与収入500万円+金融所得100万円の場合
→収入600万円
→課税所得 約300万 給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮
→総合課税を選択すると、所得税率10%+住民税率10%となるので
→現状20.315%と同等 - サイドFIREなどで収入減少時
→収入300万
→課税所得 約100万 給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮
→総合課税を選択すると、所得税率5%+住民税率10%となるので
→現状20.315%から減税
計算過程
→給与所得控除(600万*20%+44万) + 基礎控除(48万)+社会保険料控除(収入の15%)
→課税所得 約300万 = 600万 – (164万+48万+90万)
→給与所得控除(300万*30%+8万) + 基礎控除(48万)+社会保険料控除(収入の15%)
→課税所得 約100万 = 300万 – (98万+48万+45万)

参考

中高所得者にとっては増税
逆に所得税率23%超の中高所得層以上は、分離課税(30%)を選択せざるを得ません。
課税所得695万以上(所得税率23%~)の層
→総合課税を選択すると、所得税率23%超+住民税10%となるので、分離課税30%を選択せざるを得ない。
→よって、現状20.315%から増税
課税所得20%の層は総合課税を選択しても、分離課税を選択しても30%なので、現状から増税
まとめ
X(旧Twitter)では、一律30%上がると勘違いしているように思えるポストが多数ありました。実際は総合課税と分離課税の選択制で、低所得者にとっては減税、中高所得者にとっては増税となる内容でした。
個人的にはサイドFIREして、つつましく暮らしていけばメリットがありそうです。しかし、そもそもリスクを取った投資利益に、国が介入してくることに違和感を覚えますし、税制の複雑化は反対です。
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